|
目次へ戻る
離婚裁判、弁護士に頼まなくても大丈夫?
|
≪離婚と弁護士≫
離婚裁判をやるうえで、弁護士に事件処理を委任するべきか?
何もかも、面倒なことをすべて丸投げしたい、というような場合は、弁護士にお任せするのが良いでしょう。それで、少なくとも、不愉快な相手と会う機会はぐっと減ることになりますから。
特に、DVが根底に横たわるようなケースでは、弁護士を代理人にすることで、相手との接触を絶つことが可能になってきます。例えば、裁判をするには送達場所として連絡先を明記したりもするのですが、そのよう場合でも、代理人弁護士の法律事務所をもってあなたの住所地等に代えることが可能だったりするのです。
≪自分でできる?≫
他方、本当に、法律の素人だからできないのか? という観点から言えば、そうではありません。むしろ、離婚裁判は、本人訴訟がやりやすい事案ですらあります。
実際、離婚裁判については、その体験談など、ネットで検索すれば色々と引っかかります。そのぐらい、弁護士をつけずに挑んでいるケースも多くあることが分かります。
これは、既に、調停を独力おやりになった方であればお分かりかと思いますが、離婚裁判では、それほど、法知識の専門性を要しないからです。調停の際にそうであったように、裁判になっても、「どういう経緯で婚姻関係が破綻し、そして、なぜ、離婚をする必要があるのか」の説明が主に求められるだけです。
≪離婚裁判の要点は、事実をいかに上手く説明できるか≫
離婚裁判で重要となるのは、婚姻関係が破綻しているか否かに関して、事実がどうであるのか、です。
これは、法律解釈というよりは、どちらかとえいば、事実に関する主張の問題です。そして、事実問題は、あなた自身が最もよく知っているはずです。
従って、訴訟のやり方について基本的なアドバイスを得られれば、独力で頑張れるものだと思います。
なお、離婚裁判に際して、慰謝料の賠償請求なども付け加えると、やや難易度があがります。しかし、特殊な法律知識を必要とする賠償請求ではありません。やはり、本人訴訟でも十分対応可能です。「典型的な不法行為」を原因とする裁判であり、こちらも、どちらかといえば、事実に関する主張をいかに上手くできたか、にかかっているからです。
【関連トピック】
◆「離婚、婚約トラブルの相談先、専門家の選び方」
◆「離婚裁判、弁護士に頼まなくても大丈夫?」
◆「離婚裁判、本に書かれていない厄介なトラブル」
◆「離婚、別居を考えているけれど・・・、準備すべきことは?」
◆「離婚、弁護士費用(報酬)は、どのぐらい?」
拍手で応援
お願いします! リスト一覧へ
|
ページトップへ
|
§お勧め資料§
● 『要件事実マニュアル〈5〉
家事事件・人事訴訟・DV』
岡口 基一 (著)
(ぎょうせい 2010年7月)
要件事実とは聞きなれないタイトルの実務家向け専門書。実務上必要となる情報が凝縮されている本なので、本講義でもテキストに指定しています。
見た目はワケの分からない記述となっていますが、読み方さえ知れば、裁判を戦い抜く上での教本となってくれます。特に、実務上、何か手続の申立てをしようとすれば必要となる「申立ての趣旨」の記載例が網羅的に載っているのが、魅力的。
弁護士に頼らずに自分で裁判をやり抜けるには、結局、多様な「申立ての趣旨」の記載例を知る必要がありますので、ネット検索で方々を駆けずり回るよりは、信頼性のあるこの本を手元においておくのが、早道です。
● 『損しない傷つかない
離婚の本』
太田 宏美 監修
(永岡書店 2005年04月)
一般向け図書としての離婚マニュアル本。弁護士が監修。多色刷りと、ポイント毎の図表やチャートなどで、大変読みやすい作りとなっています。内容面でも、手続きについて類書よりも詳しく書かれており、重宝します。
本当に良くできたマニュアル本で、値段も廉価なので、離婚を考えたのなら是非手元におくべき一冊です。
● 『離婚のための準備と手続き』
鈴木 幸子 (監修)
(新星出版社 2007年2月)
一般向け図書としての離婚マニュアル本。弁護士が監修。3色刷りなので、レイアウト的にも分かりやすく、読みやすいテキストであると思います。監修が女性弁護士なので、女性向けに配慮しているような感じがします。値段的にもお手ごろなので、入門書としてお勧めします。
● 『離婚解決完全マニュアル』
馬場澤田法律事務所 (編集)
(中央経済社 2007年4月)
一般向け図書としての離婚マニュアル本。こちらの本は、普通の白黒のあっさりとしたレイアウトもあって、どこかカッチリとした印象を受け、弁護士が書いたものだな〜という感じがする本です。
|