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離婚・恋愛トラブル相談                                   目次へ戻る


  子供が週末に相手方のもとに泊まる場合、婚姻費用負担の修正は?
  (広島高裁岡山支部 平成23年02月10日決定 平成22年(ラ)29号)



≪概要≫


子供らが、例えば、週末は相手方のもとで過ごし、その間の子供に要する食費等の費用を相手方が負担しているケースというのがあります。その場合、婚姻費用を計算するに当たって、その負担分を考慮できないかが争われたケースが公表されています。


広島高裁は、そのような場合、
減額修正を肯定しました。

具体的には、月額5万円から、月額4万5000円への修正。なお、夫は会社員で年収352万円で、妻も会社員で年収291万円と認定されています。




≪金額算定の実務は、判例タイムズの算定表で≫


余談になりますが、この事件では、婚姻費用等の金額算定実務について、原審・岡山家裁が象徴的な判示をしています。

即ち、「相手方及び申立人の給与収入を基に、
判例タイムズ1111号掲載の算定表によって相手方の婚姻費用分担額を算定すると、4万円から6万円の範囲となる。この金額及び本件に現れた事情を総合すると、相手方が負担すべき婚姻費用は5万円が相当である」と。

婚姻費用分担事件の裁判が、実務的にどのような判断で行われているかが率直表明されており(他の裁判例でも散見されるところですが)、自分で婚姻費用分担請求をやってみようと思われている方にとって、その意味でも参考になるのではないでしょうか。




≪裁判所の判断≫


【判事事項】

  定期的に一定期間子らが義務者のもとで生活している場合に、その費用負担を考慮し、標準的
 算定方式を修正して婚姻費用を算定した事例


【裁判要旨】

  子らが毎週一定期間義務者のもとで生活しており、当該期間中の子らの食費、被服費、おもちゃ代を
 義務者が負担しているなど判事の事実関係の下においては、標準的算定方式で算出される金額から、
 義務者の負担する費用相当額を控除して算定するのが相当である。

                                  (広島高裁平成23年02月10日決定 判決PDF



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