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[準備書面の書き方 書式編]
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原告・被告ともに、訴状・答弁書の提出後に何度か書くことになるのが、この『準備書面』です。映画やドラマなどでは法廷で華々しく言い争うシーンを見かけますが、それを文書でやりあうのが、この『準備書面』だと思っていただければ、イメージ的には分かりやすいでしょうか。
≪記載の要領≫
さて、記載の要領ですが、基本的には『答弁書』と同じです。
そもそも、『答弁書』も、準備書面の一つだからです。被告において、訴状に対して最初に提出する準備書面のことを『答弁書』というのです。但し、『答弁書』を提出せず、期日において口頭で認否をなした場合は、最初に提出する準備書面であっても、『答弁書』とは言いません。
≪答弁書との違いは、2点≫
答弁書との書式面における違いは、次の2点ほど。
まず、タイトルを「準備書面」に変えましょう。
次に、小見出しも、「第1 請求の趣旨に対する答弁」とか、「第2 請求の原因に対する答弁」とかは、あくまでも、訴状に対する認否としてのものですから、より適切なものを任意につけましょう。
例えば、「原告の主張に対して」とか、「お金の貸し借りの経緯について」とかです。
その他の記載の要領は、答弁書について解説したところの例によってください。
まず、@事件の特定の為に、事件番号・事件名、原告、被告の3点を記載します。
次に、A準備書面とのタイトル、差出先となる裁判所名。
また、B書面の作成年月日、作成者名と、判子を押す。
最後に、C主張の内容を書く。なお、下記サンプルのように前記@〜Bの記載(書式)さえ整えておけば、主張の内容面についての記述スタイルは自由です。
(準備書面サンプル)
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事件番号 平成XX年(ワ)第XXXXX号事件
原告 碇 烈蔵
被告 柳 流輔
準 備 書 面 (1)
大阪地方裁判所 第5民事部EB係 御中
平成XX年XX月XX日
原告 碇 烈蔵
(被告の主張に対して)
第1 『答弁書』第2について
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被告は、〜〜〜〜〜と主張する。
しかし、・・・・・・・
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§お勧め資料§
● 『法務担当者のための
民事訴訟対応マニュアル』
田路 至弘 編著
(商事法務 2005年10月)
準備書面についての詳しい解説は、一般にマニュアル本には書かれていません。書式の形式面についての記載でお茶を濁す程度なのがせいぜいです。
本書についても、残念ながら、準備書面の簡単な意義と、ものすごく簡素化された書式サンプルの掲載のみとなっています(129ページに準備書面サンプル、217ページに最終準備書面サンプル)。ただ、ちょこちょこっとした実務的なコメントが数行あるのが光っています。
また、執筆人は弁護士で、出版社も法律専門誌を扱う商事法務、そして、メインのターゲットが企業の法務担当者ですので、実践的な解説、それに書式サンプルなど、使い勝手の良いものとなっています。
特に、一般向けの類書にはないのが、内容面で、満遍なく項目が押さえられています。弁論手続き、控訴・上告、和解手続、承認尋問の項目など、単純な書式サンプルの掲載を超えて、専門家ならではの読み物となっています。
● 『書式 民事訴訟の実務』
大島 明 著
民事法研究会
準備書面の記載例については、3種類の異なったサンプルが掲載されています。そのうち、最終準備書面のサンプルは比較的厚めの記載で、それらを見比べてイメージをつかむのには便利だと思われます。
また、準備書面の書き方については、「準備書面を作成するについて、どのような準備書面、作業をすれば、より効率的に準備書面を作成することができ、的確に提出することができるかという点について、私なりに考えていることを含めて参考までに記述しておく」として、それ以下2ページほどかけて若干の考察がくわえられています。
また、後注での、準備書面の作成に関しての注意書きにしても、必須事項、作成者名や日付けの位置、準備書面として一番大切な点、など素人にとってはお役立ち情報が多いです。
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