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 過払裁判をシミュレーションする!
 まずは、読んでみよう、判決文
 
 
 
        
          
            |  | ≪判決文は、有用な教材≫
 
 
 過払金の返還請求訴訟で、どのような主張のやり取りが為されるのかを知るには、(ネットの体験記もそれはそれで結構ではありますが)実際の裁判例に当たってみるのが手っ取り早いでしょう。
 
 勿論、一般市民は弁護士と違って、裁判資料のコピーを裁判所などから取り寄せることはかないません。しかし、本人訴訟のために体験入学感覚で、裁判をシミュレーションするだけであれば、裁判資料の全部を閲読する必要は必ずしもありません。むしろ、公刊されている判決文を読むだけでも、非常に勉強なると思います。
 
 また、『準備書面』などまで逐一読むとなれば、冗長な記述や、当事者の一方的な主張などに混乱させられてしまいかねません。その点でも、判決文においては、適切に当事者の主張を整理してくれていますので、争点に対する【対立する主張】の全体像を把握しやすいのではないかと思います。
 
 
 
 
 ≪お勧めの裁判例 2010年2月現在≫
 
 
 直近の裁判例から、次の二つを紹介。
 
 
 ⇒ 「東京簡易裁判所平成21年12月04日判決 平成21(ハ)18541」
 * 過払金の返還請求は、否定。時効により消滅したと判断。
 * 「取引の一体性」について判断。分断を認める。
 * 相殺の主張についても、リボルビング形式では難しい、と判断。
 
 
 ⇒ 「東京簡易裁判所平成21年11月26日判決 平成21(ハ)17518」
 * 過払金の返還請求は、認容。
 * 弁護士費用相当額の損害賠償は、否定。
 * 過去に交わしていた「和解」を無効と判断。
 
 
 いずれもページ数も多くはなく、目を通しやすいと思います。
 
 「取引の一体性」ないし「取引の分断」や、「和解による清算条項」の問題は、よく出てくる質問なので、どのように考えれば良く、また、反論していけばよいかについて参考になるかと思います。
 
 
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 | ●  『Q&A 過払金返還請求の手引(4版)』
 名古屋消費者信用問題研究会 編著
 (民事法研究会 2010年6月)
 
 過払金返還請求訴訟を(自分で)やろう思うなら、お勧めなのが、この本。
 
 基本的な論点となるべき箇所が網羅され、その上、各種訴訟資料のサンプル、利息計算用のエクセルシートのデータファイルまで付属されており、実務者向けの完全なマニュアル本となっています。
 
 値段的には、3版の3000円からするとやや高くなりましたが、執筆者が弁護士なので、内容面での正確性にも安心があります。
 
 この本を買って手元に置きつつ、なお不明な点について他の本を立ち読みなどでつまみ食いすれば、事足りるのではないでしょうか。
 
 
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 §お勧め資料§
 
 
 ● 『簡裁消費者訴訟の実務』
 
 司法書士執筆の訴訟実務本。消費者訴訟の分野について、主要な領域がカバーされており、かつ、近年過払いバブルに湧いていた司法書士業界だけあって、過払金返還請求などに取り組もうとする駆け出し実務家向けのマニュアル本(専門書)となっています。
 
 従って、過払金返還請求を初めとした債務問題で、本人訴訟を考えるのであれば、これをお勧め。
 
 訴状記載例などの書式サンプルも豊富なうえ、記載例それ自体もある程度のまとまりのあるものとなっており、素人には非常に参考になるのではないかと思われます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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